2012年05月09日

小出楢重画伯のパネル

去年の末に依頼のお電話を頂き、打ち合わせを重ね、つい先日お渡しできた
パネルのお仕事です。

小出楢重画伯
 大正から昭和初期にかけて活躍した洋画家、晩年に集中して描かれた裸婦像は、
 西洋絵画に見られる理想化された裸婦像とは一線を画した、日本人による日本独自の
 裸婦表現を確立したものとして高く評価される。
 芦屋市立博物館の庭に、小出楢重のアトリエが復元・保存されている。
                             「ウィキペディアから」

その小出楢重画伯がステンドグラス用に描かれたデザイン画パネルです。
スゴい画伯の作品をステンドグラスでパネルにすることになりました・・・。


1)
最初に額装された本物を目にした時にある程度のイメージは
できたものの、ガラスがあるのかな〜?って思いましたが
まずはこのデザイン画をステンドグラス用に書き直してお客様に
OKを頂いてからですね。
このデザイン画を・・・じっとただじっと見つめる・・・
narasige_1.JPG

2)
ガラスがカットできるように、それでいて原本のイメージはそのままに・・・
線の強弱などは半田の線で表現して、グラデーションの向きや雰囲気、
いつもと違う感じに戸惑いながらデザイン画を完成させました。
この時点で一度お客様に見て頂いて、作品のイメージを崩していないか見て頂きました。
後は色別の記号、通し番号などを記入して型紙をカットしてガラスを切る準備に入ります。
narasige_2.JPG


3)
デザイン画をもとに、色選び(サンゴバン、フリモント、ランバーツ)フルアンティークで・・・
裸婦の部分はガラス屋さんに無理言ってアトリエにガラスを何枚も持ってきてもらい、型紙をのせてみて
イメージに合う部分の色でとれるのかをチェックしながらガラス選びです。
デザイン画自体が水彩画で描かれていて色合いがとても淡い感じで表現されているので、そのイメージを
色でも表現してみました。
ガラスを選んだ時点で一度見て頂き、カットしたガラスを並べた時点でも見て頂きました。
少し物足りないような感じも、半田をしてブラックをすればグッとしまってくるので
今の時点では少し物足りないぐらいの方が、必ず良くなるとお話しさせて頂きました。
テープを巻き、半田の作業に入ります。
narasige_3.JPG


4)
その前に・・・
一部分はガラスのカットだけでは表現できないのでグリザイユで絵付け。
いくつかの部分は取り返しがつきますが、腰の部分や足の部分などは
他に代用できるガラスがないので失敗は許されない・・・。
カットするだけでも超緊張だったのに、絵付けでも失敗は許されないなんて・・・。
しかも釜に入れるとオレンジなどの色のガラスは色が進むかもって・・・ムムム・・・
一つひとつ丁寧に慎重に絵付けを繰り返し、時間がかなりかかってしまいました。
お客様からは「ゆっくり良いものを作って下さい。」と言って下さったのでお客様に感謝し
納得できる仕上がりになるまでさせて頂きました。
narasige_4.JPG


5)
ハンダ付けの作業に・・・
アンティークのガラスは板の厚みがまちまちなので
(厚みが2mmのところがあれば厚みが4mmをこえるところもあったり)
一度すべてをヒックリ返し、裏面からハンダ付けスタート。
写真は裏面がほぼ終了したので光の入りをチェック!!
このままでは透け過ぎだし、水彩の雰囲気もないので、裏面から白いガラスを抱き合わせて
水彩の雰囲気を出します。
この時点で思い通りの雰囲気に仕上がり、最初に原画を見つめた時の感じとイメージが
ピッタリだったので間違いなしです。
narasige_5.JPG


6)
半田を終了し、すぐにブラックパティーナ・・・
すばらしい!!最高です!!会心の作に制作して良かった〜〜〜。
淡い水彩画の雰囲気を残し、その中にたたずむ裸婦
最初のイメージをそのままに最後まで作品と向き合う事ができました。
長い時間製作期間をくださったお客様には本当に感謝いたします。本当にありがとうございました。
narasige_6.JPG



7)
最終キレイに作品を磨いてあげて、抱き合わせの白いガラスを
額装や窓に取り付けする時用にパネルサイズにカットし、
お客様にお渡し致しました。

お客様も大変喜んで下さり、「まさに楢重!!」と言って頂けた事
本当にこの作品を完成する事が出来た事、携わる事が出来た事、嬉しく思います。
自分自身もこの作品を通して多くの事を勉強させてもらいました。
このようなすばらしいお仕事の依頼を頂けた事に感謝したいです。
narasige_7.JPG
posted by います ともや at 10:20| Comment(4) | TrackBack(0) | 講師作品
この記事へのコメント
すばらしい(@_@;)とりはだです
工程を読みながら、まるで分厚い本を読んでいる気分になりました<気持ちの表現がおかしいですね^_^;伝わるかしら>
おまけに最後にしっかり写っている手に気づき、予想外のサイズ!!!これは、東野圭吾なみの推理小説でした
小さいピースを精密にそろえることは、たいへんだったんじゃないですか  さすがです!

今須さんとはレベルが違いますが、またまた、サアがんばろう\(^o^)/とエンジンスタート
Posted by ひろこ at 2012年05月09日 16:16
コメントとお褒めのお言葉を頂きありがとうございます。
写真ではなかなか伝わらないし、文章を書くのも苦手なので
うまく伝われば良いのですが・・・。
でも本当にすばらしい作品になりましたよ。
私もこれから11、12月と個展が続くので
そちらも頑張りたいと思います。
Posted by imasu tomoya at 2012年05月09日 16:42
久しぶりにブログを訪ね、パネルに感動していたら……ウルボロ社長との面会の情報!!!ますます感動です♪───O(≧∇≦)O────♪
先日鎌倉でステンドグラスのSHOPをのぞいたのですが、全く心動かず、改めて今須さんのガラスのチョイスが私の心に響いた事を確信しました
イマスSpecial!ぜひ是非ゼヒ欲しいです
Posted by ひろこ at 2012年05月09日 21:11
そうなんです。ウロボロスの社長がアトリエに来られたんですよ。
自分の思いが届いたのか・・・?ですが。
色選びはなかなか難しいですが、作品をしっかりと見つめてあげる事が大切だと思ってます。
イマススペシャルできたらいいですね〜
ほんとそう思います(^-^)
Posted by imasu tomoya at 2012年05月10日 09:37
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